カナダの衛星利用の地球モニタリング企業、GHGSatは10月21日、ピクセルあたり約2kmの解像度で世界中の毎週の平均メタン濃度を示す無料の地図を発表した。パルスと呼ばれるGHGSatのマップは、年間の各ピクセルの100万分の1または10億分の1で測定されたメタン濃度の変化を示している。

GHGSatの創設者兼CEOであるStephaneGermainは記者会見で、「Pulseが意識を高め、議論を刺激し、人々が質問をするようになることを願っています」と述べている。「パルスは、ホットスポットを特定したり、特定の発生源に排出を起因させたりしないように意図的に設計されています。詳細が必要な場合は、25メートルの画像を販売しています。」

企業や政府機関も、メタン源を特定するためにGHGSatを採用している。

「人々がホットスポットを見たり、排出源を見つけたい場合は、それらのサービスも販売しています」とGermain氏は述べている。

GHGSatは、2016年に打ち上げられたクレア衛星と、9月に打ち上げられたアイリス衛星の2つの衛星を使用して、世界の温室効果ガス排出量を検出および測定する。トロントを拠点とするこの会社は、SpaceX Falcon 9ライドシェアミッションで、12月に別のメタン衛星Hugoを打ち上げる予定。2020年までにGHGSatは10個のメタン監視衛星を運用することを計画している。

同社は、顧客に「これらの生産分野のすべての施設の定期的な測定」を提供するために、10個の衛星を必要としている。

パルスを作成するために、GHGSatは、独自の衛星からのデータを、欧州宇宙機関、NASA、および宇宙航空研究開発機構の衛星によって収集されたデータと組み合わせた。

政府は「私たちの衛星の100倍の大きさで高価な衛星ですが、地球全体のデータを毎日生成できるという利点があります」とGermain氏は述べている。「彼らはより粗い解像度でそれを行います。そこで、これらのマップを取得し、特定の領域で私たち全員が望むような精度を実現するために、それらのデータを私たちのデータと組み合わせました。」

カナダ宇宙庁の大統領の科学顧問であるサラ・ギャラガー氏は、パルスはメタン排出量を削減するための目標を定めた取り組みを支援すると述べた。

「メタンは二酸化炭素の84倍の地球温暖化係数を持っています」とギャラガーは記者会見で述べました。「私たちは、メタンがいつ、どこで、どのように大気中に放出されるかを知る必要があります。メタン排出量を削減することは、気候変動に対処するための重要なツールです。」

GHGSatは、最初の衛星クレアからのデータを使用して第1世代のPulseを作成し、将来のバージョンにアイリス衛星データを含める予定である。

「私たちはすでに、ピクセルごとに放出または吸収される1日あたりのメタンの量を示す次世代に取り組んでいます」とGermain氏は述べている。

GHGSatは、スイスのダボスで1月に開催される世界経済フォーラムで世界中のメタン排出量をマッピングする計画を発表しました。当時、GHGSatは、当初11月9日にスコットランドのグラスゴーで開始される予定だった第26回締約国会議である国連気候変動会議に間に合うように地図を公開すると述べた。COVID-19のパンデミックのため、締約国会議は2021年11月まで延期された。

驚くことに、人がほとんど住んでいないグリーンランドからメタンが大量に放出されている。その理由はネットで沢山公開されているが、地球温暖化により氷河が解け、氷河に蓄積されている炭素が条件によってメタンに変換されて放出されているらしい。そして温暖化をさらに加速して、その結果メタンがさらに放出される、という悪循環ということか。