2016-12-13 NASA、宇宙空間で衛星の修理や燃料補給をするロボットを開発中

何十億もかけて使い捨てではもったいないですからね。

例えば、100億円のコンピュータを買うとして、そのとき保証・修理プランなしで、という人はいないでしょう。NASAが衛星を飛ばすのに際して行なおうとしているのはまさにこういったこと。虎の子の衛星が高額な宇宙デブリにならないよう、NASAは衛星を宇宙で修理、燃料補給するロボットを作ろうとしていると、Motherboardが報じています。

先日NASAは、衛星を掴み、補給し、低地球軌道に移動させる宇宙ロボット「Restore-L」の製造と将来の計画に関する試験技術についてSpace Systems Loral(SSL)と契約を締結したと発表しました。ロボット製造には3年を要し、2020年に投入されるそうです。

補給できない場合、衛星の寿命は最初にエンジニアがどれだけ推進剤を詰め込めるかに大きく左右されます。更に、軌道を周回中に電気的、あるいは機械的な問題が発生したら、それだけ寿命は縮まってしまいます。寿命に近い衛星がどんどん増える中、各宇宙局や民間企業は無重力空間で衛星の整備を行えるロボットの開発によって対処を始めました。

例えば国防高等研究計画局(DARPA)は最近、届きにくく、それでいて場所として理想的な上空22,000マイル(約3万5000km)の対地同期軌道にある衛星を整備できるロボットを設計するプログラムを発足しました。

一方、NASAの衛星整備部門は、人間の腕と同じ可動範囲のロボットアームや、軌道に乗っている物体とロボットをランデブーさせるためのナビゲーションシステムなど、軌道上整備・補給に必要な技術のデモンストレーションを準備しており、Restore-Lはそれらの機能を持ち合わせ、かつ他にも多様な機能を持った多機能宇宙整備ロボットとなるのです。

現在のRestore-Lの主なミッションは、NASAとアメリカ地質調査所によって管理されている、非常に重要な地球モニタリング衛星の補給を行なうことです。これが成功すれば、Restore-Lは他にもさまざまな目的のために修正を加えて利用することができます。

例えば、我々の地球を回り、ひたすら増え続ける宇宙デブリの掃除や、小惑星から数トン分の岩石を採取して月の軌道にのせる小惑星再配置ミッションなどの新たな科学計画にも使われるかも知れません。(Gizmo)