2007-07-08 NASA、惑星探査に中古衛星を再起動

NASAは他の星の周辺を飛行する惑星と彗星の研究に、作動を停止している探査衛星を再起動させて、中古衛星の再使用を行う。再利用される衛星はディープインパクトとスターダスト。両衛星とも異なる彗星を探査するという初期のミッションは完了している。

ディープインパクトは2005年に彗星テンペル1に向けて銅製の衝突部材を放出し、クレータを作って内部の破片を放出させた。その後衛星はエネルギーを保存するためにセイフモードに切り替えられていた。

スターダスト衛星は彗星ワイルド2近傍を飛行し、彗星から飛散する粒子の収集に成功した。彗星の粒子を運んだカプセルは昨年地球で回収され、衛星そのものは宇宙を飛行し続けていた。

科学者らは今年後半にもディープインパクトの二カ所を再起動し、太陽系外の惑星のデータを収集する宇宙天文台の役目を果たすことになる。2008年12月には彗星85P/ボエシンの近くを通過する。この彗星は11年毎に太陽軌道を周回するもので1975年に発見されている。ディープインパクトはこの彗星を通過する最初の衛星となる。

研究者はこの彗星からの情報を分析することで、地球上で生命を作り出すことに彗星が果たした役割があるのかどうかなどの答えが道出せるのではと期待している。

スターダスト衛星についてはテンペル1彗星を再度接近し、ディープインパクトが作ったクレータにどのような変化があるのかを確認する。当時は衝突部材が衝突した際に巻き上げた粉じんが邪魔をしてクレータの撮影ができなかった。研究者らは二度目の訪問でクレータの鮮明な画像が見られることを期待している。

もともとのミッションコストはディープインパクトが$333M(500億円)、スターダストが$212M(250億円)程度であったが、今回の再利用で、最初から行うミッションと比較して著しく低クスとで実現できると期待している。