2006-03-25 純民間開発ロケットの打上げ、失敗

期待されていた世界初の純民間開発ロケット、ファルコン1号(Falcon1)打上げは、点火後数十秒経過して時点で姿勢が不安定になり、最終的には残念ながら失敗に終わった。 詳細な原因は発表されていないが、開発企業のSpaceX(Space Exploration Technologies)広報によると、現在原因を分析中としている。また落下した地点の特定を行っている。また、「今回は明らかに失敗であるが、長い道のりの一つと捉えている。」として、今後も開発を継続する姿勢を明らかにしている。

打上げの模様をインターネットでライブ放送されたが、専門家によるとその様子から推測すると、1段目の燃焼中に姿勢制御部分に異常が発生し、進行方向が定まらなくなったようだと述べている。

ロケットには空軍アカデミーが製造した超小型衛星FalconSat-2が搭載されていた。開発費は9000万円ほどで、通信衛星やGPS衛星への宇宙プラズマの影響を観測する予定であった。高度は宇宙ステーションより50kmほど高い位置を軌道投入位置としていた。

SpaceX設立者のイーロン・ムスクはインターネット億万長者の1人だが、ある記者会見では1回や2回の打上げ失敗には会社も耐えられるが、3回目の失敗となると事業から撤退するかもしれないとも語っており、次回の打上げが最後のチャンスとも言える。しかしなら、1回でも成功すれば大きな信頼を獲得できると、期待も述べている。

(編集者コメント:ネットで見た搭載カメラの画像を見ると、最後は旋回しているようにも見えるし、燃焼部分に異常が発生しているようにも見える。燃料タンクから漏れた燃料に引火しているようにも見える。横方向に噴射している炎がみえるので、噴射の方向が制御不能になっているようにも見える。打上げから数秒後にすでに炎が画面下のほうに見える。カメラ位置が不明なため、これが正常な燃焼の炎なのか異常な炎かは不明。
 
次回の打上げに期待しましょう。SpaceXのロケット開発で従来と異なるのは、ある専門化によるとロケット機構内部のデータのやり取りにIP(インターネットプロトコル)を使用しており、ほとんど配線部分が見えないくらい単純であるとのこと。コンピュータの専門家が設計に参加しているだけあって従来と大きく異なる。欧州の大型ロケットアリアン5型の失敗の原因もソフトウェアにあったとされており、ロケットへのIT技術応用の難しさが浮き彫りとなっている。)