2005-11-04 中国、ベネズエラに衛星売却・08年に打ち上げ

中国は2日までに南米ベネズエラへ通信衛星を売却する契約に調印した。2008年に中国が打ち上げる。10月に2度目の有人宇宙船「神舟6号」の飛行に成功した中国は衛星打ち上げに自信を深めており、宇宙ビジネスを強化する。

 ベネズエラなど反米色が強い国へ衛星を売り込むとともに、月探査など今後の宇宙開発ではロシアと協力関係を深める方針。宇宙分野で米国をけん制する狙いもありそうだ。

 新華社によると衛星の設計から製造、テスト、打ち上げまでを中国長城工業が手掛ける。衛星はベネズエラの国内通信や放送用に使われる。チャベス大統領は調印式で「通信衛星を持つことで西側の独占と封鎖を打破し、自主的に通信、テレビ事業などを発展させられる」と述べた。

 中国の宇宙技術はもともとロシアから導入した技術がベースだが、今後は宇宙開発の分野でロシアとの協力関係を一段と強化する方針だ。北京で3日に開かれる中ロ首相による定期会談では、07年から10年間の長期宇宙探査共同計画も協議される予定。(Nikkei)