2008-11-20 新型通信衛星で全ての農村にネット回線を

 インド政府は、インターネット接続を介して農村部にタイムリーな農業情報を提供することを目的として、"新型"の人工衛星の開発に取り組んでいる。

 インド宇宙研究機構のG・マダヴァン・ナイール会長は取材に対し、「開発が進められているのは早期着工型の宇宙船で、農村部にインターネット接続環境を提供することが目的」と語った。

「インドでは、3万村以上もの村で未だにインターネットを利用することができずにいる。従来型の人工衛星では、この需要をすべてまかなうことは困難だ。そこで、スポットビームを利用した高帯域対応型の通信衛星が必要になった。その種の衛星がなければ、すべての村をインターネットに繋ぐネットワークは不可能だ」とナイール氏。

 新型衛星は農村部へのインターネット接続環境を提供すること主な目的としたもので、通信衛星のINSATと同じ規模(3トン)。ただし、インド全土をカバーする種類のビームではなく、異なる地域を照射する複数のスポットビームを用いる。コントロール・ハブによって、この衛星ネットワークが全国の回線に接続されるという。

 ナイール会長およびインド宇宙局高官は人工衛星の導入について、「まずは接続を確立させなくてはならない。その後、農業従事者にさまざまな方面からの農業に関する情報が提供できる。衛星を用いれば可能だ」と語った。

 新衛星の打ち上げは、2年以内に人工衛星打ち上げサービス大手の仏アリアンスペースによって実施される予定だという。(インド新聞)