2005-04-19 人工衛星の軌道・周波数めぐり韓中日が競争

韓国、中国、日本の3カ国が、韓半島周辺の上空に打ち上げる人工衛星の軌道および周波数を先に確保しようと、今月末から交渉を行う。 韓中日3カ国が最近の歴史・領土紛争に続き、「宇宙空間」を確保するための角逐戦に突入するということだ。

中央日報が入手した情報通信部(情通部)傘下・電波研究所の「05年度人工衛星網調整会議」推進案によると、韓国は25日、中国・広州近隣で「韓中2国間交渉」を行う。 日本との交渉は下半期に日本で行われる。 ロシア、ベトナムとも年内に相次いで交渉する計画だ。各国の人工衛星発射計画が相次いでいるが、空はすでに飽和状態にあるからだ。

特に、地球の自転方向に自転速度で回りながら常に特定地域の上空に位置する、商業用(通信・放送など)静止軌道衛星が問題だ。 静止軌道衛星は、位置が地球赤道上空(緯度0度)の特定高度(3万6000キロ前後)に制限されるうえ、電波混線を避けるため東経2度間隔(全体180個)で置く必要がある。 しかし静止軌道衛星は、すでに世界的に338個が打ち上げられている。 このため、各国は衛星電波領域が重なる周辺国と、空間めぐって摩擦を起こしている。

韓国の場合、静止軌道衛星は現在、ムクゲ2号・3号(KT)、ハンビョル(SKテレコム)の3個にすぎない。 しかし中国は14個、日本は18個の衛星をすでに韓半島上空周辺に打ち上げている。

韓国は昨年末現在、50件余の衛星の軌道を国際電気通信連合(ITU)に申請している状態だ。 中国、日本もそれぞれ数十件を申請している。 韓国の場合、特に、来年と08年に打ち上げる予定のムグンファ5号と通信海洋気象衛星の軌道確保が急がれる。

電波研究所のソン・ヒャンスック博士は「韓国の衛星に最も適した上空は、韓半島を通過する東経128度」とし、「しかし、この位置はもちろん、近隣地域も、日本や中国などの周辺国、米国などの衛星先進国がすでに確保している」と語った。

同研究所の李謹協(イ・クンヒョップ)所長は「2国間交渉では、電波送受信装置(アンテナ)の位置や角度を少しずつ譲歩し、他の衛星に影響を与えずに、すでに飽和状態の狭い地域内に衛星をできるだけ多く追加する解決法を探ることになる」と説明した。