2006-09-27 NASAの火星探査車、28日に巨大クレーターへ

米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査車「オポチュニティー」が28日にも巨大クレーター「ビクトリア」の縁に到着する見通しとなった。直径750メートル、深さ70メートルと過去調査したクレーターで最大規模。火星の歴史をひもとく成果が得られるのではないかと科学者の期待も高まっている。

 NSSAのドゥエイン・ブラウン報道官は産経新聞の取材に対し「ビクトリアは最大の目的地。火星探索の劇的な瞬間になる」と語った。オポチュニティーは28日にも縁に到着後、パノラマカメラで周辺を撮影。NASAは届けられた画像を来月上旬にも公開する。

 オポチュニティーはNASAが火星に送り込んだ2台の探査車の1台で2004年1月に着陸。ビクトリアは、過去調査したクレーター「エンジュランス」の5倍、「イーグル」の40倍の規模で、周囲の岩壁には非常に厚い岩石層が露出しているとみられる。

 このため、水の存在などを示す地質学的証拠など「火星の歴史書の発見になる」(米紙ワシントン・ポスト)と期待されている。(sankei)