2006-05-15 宇宙開発は「中国・ロシア」、「米・インド」の2極に

有力新興国としてライバル関係にある中国とインドは、ともに軍事力を強化していますが、宇宙開発の分野においても熾烈な競争を繰り広げています。

まず、中国の宇宙開発の動向から見ていきましょう。中国の宇宙開発の歴史は1956年に幕を開けました。2003年10月15日、中国は初めての有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功します。ソビエト(ロシア)、米国に続いて中国が世界3番目の有人宇宙飛行達成国となったわけです。また2005年10月12日には、2度目となる有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げにも成功しています。

「中国版アポロ計画」も進行中

2回の有人宇宙飛行の成功は、中国の国力、科学技術水準の高さを世界に示す絶好の機会となりました。国内のメディアは打ち上げの成功を大きく取り上げ、こぞって中国の国威をアピール、新聞の号外も多数発行されました。ちなみに「神舟」は旧ソ連の技術を参考にして開発された中国国産のロケットで、名づけ親は江沢民氏です。

「神舟6号」の成功で宇宙開発への自信を深めた中国は、早くも「神舟7号」の打ち上げプロジェクトを立ち上げています。「神舟7号」は2007年から2008年の間に打ち上げられる予定です。このプロジェクトでは、3人の飛行士が搭乗し、宇宙遊泳に挑みます。「神舟8号」以降の打ち上げ予定の詳細はまだ明らかになっていませんが、8号を打ち上げた後は、ほぼ1カ月の間隔で9号、10号を打ち上げて宇宙開発を加速させる方針です。(Nikkei)