2018-02-06 韓国、10年遅れた月探査…さらに遠ざかる「宇宙強国の夢」
中央日報日本語版

2019年の韓国型ロケットの初めての打ち上げと2020年の月着陸計画が延期された。科学技術情報通信部は5日に第14回国家宇宙委員会を開きこうした内容を盛り込んだ「第3次宇宙開発振興基本計画」を審議、確定したと発表した。

2019年と2020年に1回ずつ打ち上げることにしていた韓国型ロケットは2021年に2回打ち上げることに変更され、2020年を目標にした月着陸船計画も2030年に先送りした。これまで韓国政府が重点推進してきた宇宙開発事業が相次ぎ延期され、「宇宙強国の夢」も遠ざかったという指摘が出ている。

◇無理な事業変更で相次ぎ延期

当初韓国政府は75トン級液体エンジンを開発し、1.5トンの人工衛星を積んだ3段型韓国型ロケットを2019年と2020年に1回ずつ打ち上げる計画だった。だがロケット開発過程で推進剤タンクに不良品が発生し、製造会社が変更され開発が遅れている。宇宙委員会はこうした状況を考慮し打ち上げを2021年2月と10月に14カ月遅らせた。しかし今年10月に予定された75トン級試験ロケットの打ち上げは予定通りに推進することにした。

月探査事業は無理に日程を繰り上げて推進した日程が再び調整された。月探査事業は2017年に月周辺を回る550キログラムの軌道船を、2020年に月着陸船を送る計画だった。朴槿恵(パク・クネ)政権が2020年までに月に太極旗を掲げるという計画を出し軌道船と着陸船の打ち上げ日程を繰り上げた。だが月軌道船もやはり計画より開発が遅れ、2020年に打ち上げ日程が変更された。月に着陸船と探査ロボットを送る計画は韓国型ロケットの開発状況を考慮し2030年までで打ち上げ日程を遅らせた。

専門家らは韓国型ロケット開発日程がもつれているのは月探査が無理に推進されて起きたハプニングだと指摘する。宣言的な月探査日程に追われて無理に開発日程を前倒ししようするのは現実性がないと指摘した。科学技術情報通信部のイ・ジンギュ第1次官も「推進剤タンクの技術的難度、製作会社の中途放棄、初期予算不足で達成できなかった」とした。

科学技術情報通信部は2026年からは米国のスペースX、欧州のアリアンスペースのように民間企業に打ち上げを任せ本格的な民間打ち上げサービス時代を開くとした。また、月着陸船が成功すれば2035年ごろ小惑星に探査船を送り標本を採取した後地球に帰還するプロジェクトを推進すると付け加えた。

◇実行案また抜けた青写真

科学技術情報通信部は今回の3次振興計画は国民が体感し民間が主導する側に焦点を合わせたことを強調した。これに対し無人自動運転車など第4次産業革命技術を後押しするために2035年まで米国のGPSと類似の韓国型衛星航法システム(KPS)を構築するという計画を出した。また、多目的・実用衛星が1日に1度だけ地球を観測し災害に敏捷に対応できないという点を克服するため2022年までに重さ100キログラム以下の超小型衛星10基以上を宇宙に打ち上げるという計画を出した。1時間ごとに衛星が韓半島(朝鮮半島)上空を通過し、時々刻々と変わる地上の状況を監視するということだ。

学界と研究界の専門家らは今回の3次振興計画でも実現案が抜けていると指摘した。科学技術情報通信部が民間主導で宇宙産業を育てるという目標を提示したが、10年後の2026年に商業打ち上げサービスを提供する民間業者の発掘と具体的人材育成案は抜けている。ロケット開発分野のある専門家は「大韓航空までお金にならないという理由から韓国型ロケット事業への参加を断念しており、過度に楽観的な目標を立てた」と話した。海外では電子と機械、ソフトウェア、航空、バイオなど多様な分野で国際協力を通じ民間宇宙開発に参入しているが、韓国はこうした流れに遅れ宇宙開発にだけ集中しているという指摘も出る。