2006-04-03 雲南:昆明市、月面探査プロジェクト用の電波望遠鏡が完成

雲南省昆明市東部の鳳凰山にある中国科学院雲南天文台で3日、「月面探査プロジェクト」の一環として建設されていた40メートル電波望遠鏡の本体が完成した。現在、技術者による精度の調整、テスト観測などが実施されている。このプロジェクトは中国が2007年末より実施予定で、この電波望遠鏡は、月面探査衛星からのデータ受信と、衛生の位置確認などに使用される。

 2005年8月より建設を開始したこの大型電波望遠鏡は、高さが45メートル、重量が400トン超もあり、直径40メートルの鍋形のアンテナは、広げるとバスケットコート4つ分の大きさもあり、全国で最も大きい電波望遠鏡の1つだ。ちなみにもう1台は北京に設置されている。

 鳳凰山の望遠鏡設置場所は、海抜2000メートルで、周辺に住宅や建物はなく、一面に木々が生い茂り、大気の透明度もよく、観測条件が整っている。望遠鏡への電子機器の取り付け・接続・調整・試運転・性能検査などは6月までに終了する予定だ。

 同プロジェクトの地上設備として、中国は全部で4台の電波望遠鏡を北京、上海、昆明、ウルムチに設置している。この4台はそれぞれ直線距離にして2000〜3000キロメートル離れて位置している。雲南天文台の台長、李エン(※注)氏によると、このような位置関係で設置したことにより、4台の電波望遠鏡を組み合わせると中国領土面積ほどの「スーパー望遠鏡」としての効力を発揮し、月面探査衛星の運行や作業状況を停止することなく、逐一確認できるという。