2002-12-31 中国、神舟4号打ち上げ=無人宇宙船、軌道上に:「有人」へ最終段階

中国は三十日午前零時四十分(日本時間同一時四十分)、中国北西部甘粛省の酒泉衛星発射センターから、無人宇宙船「神舟4号」を長征2号Fロケットで打ち上げ、十数分後に予定軌道に乗せることに成功した。ダミーの宇宙飛行士やバイオ実験装置を搭載した同船は、有人飛行に向けた最終段階の試験船。順調に帰還すれば、次の5号で初の「有人船」実現を目指す構えだ。中国が自力で開発した「神舟」の打ち上げは今年三月の3号に続き、四回目。

 新華社電などによると、4号は有人飛行に備え、緊急脱出装置や生命維持システムなどを最終点検する。微小重力での材料実験、野菜の種子のバイオ実験も行う。

 ダミーの飛行士を初めて乗せた3号と同じく、高度約二百―三百五十キロのだ円軌道に乗り、七日間で地球を百八周したあと、内モンゴル自治区にパラシュートで帰還すると、みられている。

 打ち上げには、李鵬・全人代常務委員長らが立ち会い「わが国の総合国力と科学技術力が著しく高まったことを示した」と成功をたたえた。

 「神舟4号」は全長八・八メートル、重量約七・六トンで、三人の宇宙飛行士が七日間、宇宙に滞在可能。これを積んだ長征2号Fロケットは二段式で全長約五十八メートル、重量約四百八十トン。四基のブースター・ロケットを備え、日本のH2Aロケットに匹敵する性能を持つ。(西日本新聞)